【君の名は。ネタバレあらすじ感想~新しい新海誠ワールドにびっくり~】

映画『君の名は。』見てきました。

これは凄い映画ですね。

これまでの新海誠監督の映画とはイメージがかなり違います。これまでの新海誠監督の作品とはキャラ設定やストーリー展開が全く違う。

プロデューサーを始めとして多くの人との交流の中から新しい世界を作り出した、新しい新海誠ワールドが誕生したという印象です。

今回はこの映画の概要(キャストなど)、あらすじ、映画を見た感想などをまとめます。

その素晴らしさを確認してください。

 

『君の名は。』映画概要

まずは『君の名は。』の映画概要です。キャストや主題歌情報をまとめます。

 

映画『君の名は。』監督、キャストなど

先にも紹介した通り監督、脚本は新海誠です。アニメでありながら実写とも思えるような風景を描写するということで、幻想とも現実とも思えないその美しさに感動する人も多い。

【主要キャスト】
神木隆之介
上白石萌音
長澤まさみ
市原悦子
成田凌
悠木碧
島崎信長
石川界人

【監督】
新海誠

【脚本】
新海誠

【配給】
東宝

【公開日】
2016年8月26日

【上映時間】
106分

公式サイト
http://www.kiminona.com/

 

主題歌など

映画『君の名は。』主題歌の前前前世など楽曲は全てRADWIMPS(ラッドウィンプス)が製作。映画『君の名は。』の世界観を見事に演出しています。

このバンドの概要や主題歌情報などは別途まとめているのでそちらも参考にしてください。

映画「君の名は。」主題歌~前前前世(RADWIMPS)について~

 

映画『君の名は。」あらすじ

千年ぶりとなる彗星の接近を一か月後に控えた日本。

湖を囲む 山深い田舎町『糸守町』に暮らす女子高校生・宮水三葉は憂鬱 な毎日を過ごしていた。

小さくて狭い町。町長である父の選挙運動。実家である神社の 風習。周囲の目が余計に気になる年頃だけに、都会への憧れを 強くするばかり。

そんなある日、自分が東京に住む男の子になった夢を見る。念 願だった都会での生活を思いっきり満喫する三葉。一方、東京 で暮らす男子高校生、瀧も、奇妙な夢を見た。

行ったこともない山奥の町で、自分が女子高校生になっている のだ。繰り返される不思議な夢。そして、明らかに抜け落ちて いる、記憶と時間。

「もしかして、入れ替わってる!?」

いく度も入れ替わる身体とその生活に戸惑いながらも、現実を 少しずつ受け入れる瀧と三葉。残されたお互いのメモを通して 、時にケンカし、時に相手の人生を楽しみながら、状況を乗り 切っていく。

そんな矢先、突然入れ替わりが途切れてしまう。同時に自分た ちが特別に繋がっていたことに気付いた瀧は、三葉に会いに行こうと決心する。

「まだ会ったことのない君を、これから俺は探しに行く。」

辿り着いた先には、意外な真実が待ち受けていた……出会うことのない二人の出逢い。運命の歯車が、いま動き出す 。

 

映画『君の名は。」の感想

あらすじと予告編見るだけでも鳥肌ものの映画ですが、実際に見るとやはりとんでもない映画でした。

ここからは実際に映画『君の名は。』を見た感想をまとめます。

 

はじめに(新海誠監督の印象など)

映画『君の名は。』を見てまいりました、

元々若手の注目株として名前が挙がっていた新海誠監督ですが 、『秒速5センチメートル』『言の葉の庭』など代表作はある ものの、実は評価としては一部に留まっていました。

そんな監督の最新作ともあって、やはりコアな人気にとどまっ てしまうのかなと思っていた矢先、爆発的な大ヒットとのニュ ースが飛び込んできて本当に驚きました!

私も新海誠監督の作品は何本か拝見しているのですが、いわゆる 「ボーイミーツガール」作品として秀逸であるものの、なんと いいますか、、、ちょっと暗い?バッドエンドものが多い?印象でした。

それはそれとしていい作品ではあるのですが、いかんせん大衆向けではありません。キャッチーさはあっても、肝心のストーリーが人を選ぶものなのでいまいち興行には繋がっていない印象でした。

このままコアな人気で終わってしまうのかな、と思っていた所 でしたので、今回の記録的大ヒットは大変喜ばしいニュースです。収入も60億を突破し、このままいけば100億も夢じゃない?!

どうやら新海誠監督がその殻を破ったという印象です。何かが変わった。

その辺りも考察していきます。

そんな大注目の映画『君の名は。』、気になる内容のネタバレ感想、評価を行っちゃいたいと思います!!

 

新海誠と言えばやっぱり『背景美術』

私が新海監督を知ったのは、『秒速5センチメートル』からで した。

以前から噂は知っていたのですが、この作品はロングランを記録していたこともあり見てみようかと腰を上げたことを覚えています。

その頃から一番評価が高かったのは背景。実写のような、いえ実写以上に美しい背景美術は幻想的で本当に圧巻でした。

そして今作である『君の名は。』はその美術を進化させるとと もに、ヒットした要因とも考えらえる「キャラクターとの融合」が非常に絶妙になされていました。

今までの監督の作品は、確かに背景は泣きたくなるくらい美しいものでした。けれど、背景に注がれる情熱ほどにはキャラクターへの愛を感じませんでした。

と言うより、背景の一部だったように思うんですよね。監督の作品は初期の頃のものしかちゃんと見ていないので正確ではないかもしれませんが、埋没してたというか、、、。

でも今回は全然違った!ちゃんと「背景」だったし「キャラクター」がしっかりしていた。

背景がキャラクターをものすごく活かしていたように思います。これは今回の『君の名は。」で初めて感じたことです。

これらだけキャラが生きてくるとポスターとかね、めっちゃ飾りたくなる。

背景ってやっぱり、あくまで一要素でなければならないと思うんです。主役じゃ駄目なんです。で、あの極上の美術を「背景」として使い捨てられる贅沢さたるや、、、至福。

今まではアート作品の面が強かった新海監督ですが、非常に上質な「映画」になっていたと思います。

 

エンターテイメントを意識した作り

上げたり下げたりで申し訳ないのですが、今作は正直言って、ストーリー的に目新しいものがあったわけではありません。

男女入れ替わりものと言えば昔から使い古されたネタですし、伏線なども非常に丁寧ではありましたが、だからといってあっと驚く結末か、と言われればそういうわけでもありません。

確かに瀧と三葉の時間が3年ずれていたことは驚きもしましたが、会話のずれや時系列の入れ替えなどでちょいちょいヒントが入れられていたので、そんな馬鹿な!となるほどではありませんでしたし。

でも、それで良かったんだと思います。いえ、それが良かったんだと思います。

難解なストーリーによる種明かしは確かに驚きを生みますが、全員が全員すぐに理解出来るものでもないんですよね。

今どうなったの?これってどういうこと?そういった疑問を残してしまうと、「訳がわからない映画」に分類されちゃうんですよ。

もちろん、もう1度見てやろうってなる人もいるにはいますが、今のご時世映画を2回見る人なんてあんまりいませんからねー

そういうのに慣れている人だけを意識したり、解る人だけ解ればいいやって内容が内側に向いてしまったり、その辺が「一般向け」か「ファン向け」かに別れる部分だと思います。

今までの監督は、恐らく後者でした。コアなファン向け。「この世界観を分かる人だけ分かってくれたらいい」みたいな玄人的な仕事だったと思います。

それがねぇ、今回はものすごいエンタメしてたんですよ。誰が見ても解りやすいの。

ドキドキハラハラしつつも一度見ればだいたいの謎が解る。簡単なストーリーだから、人を選ばない。けどもう1度見直して、深く考察することも出来るコア向けな部分もあって。

今までのコア向きな深海誠ワールドが誰にでも楽しめる深海誠ワールドに進化した。そんな作品が『君の名は。』であると感じます。

どうやらこの辺り、プロデューサーの手腕も関係しているようです。

最初に想定されていたのは2人が気づかないまますれ違って終わる、というものだったようですが、プロデューサーが最後に出会わせるという完全なハッピーエンドにするよう監督にお願いしたのだとか。

切なく終わる映画や謎が解明されないまま終わって想像を膨らませるような話も私は嫌いではないですが、やっぱりハッピーエンド見たい層が多いですし。これは英断だったと思います 。

安心して見られる映画だからこそ、お勧めしやすくヒ ットしたのではないでしょうか。

 

コミカルなキャラクターと王道なラブストーリー

そしてなにより重要なのがストーリーです。

王道な青春ラブストーリーで思い出すのは細田守監督の『時をかける少女』ですが、あれも非常に古典的な王道映画でした。 (そもそも原作が青春SFものの古典ではありますが)

どストレートで、変に奇をてらうことなく、共感を呼べるお話は幅広い支持を受けます。実際「時かける少女」も「君の名は。」も客層が幅広かったのが印象に残っています。

一時期飽きられがちだった王道展開ではありますが、一周回ってそれが新鮮に感じるようになったと言うことでしょうか。それとも、物語の裏切りにみんな疲れたのかなぁ。ちなみに私は後者です。(笑)

そういうある種安心するストーリーの上で、キャラクターが生き生きと動いていました。もちろんSFの考証などもされてはいるでしょうが、小難しいことよりも「これを見せたいんだ!」という勢いをこの映画には感じましたね。

多少矛盾が生じたって、面白ければいいんです(笑)。

新海監督のキャラクターってどちらかといえば落ち着いたキャラが多かったように思いますが、今作は終始ドタバタ。瀧と入れ替わった三葉はバイトの多さに振り回されたり、バイト先のマドンナと勝手にデートの約束をしたり、、、。

瀧は瀧で三葉の姿のまま男らしい態度を改めないものだから、後輩に告白されちゃったり、入れ替わったついでに三葉の胸をもむのも忘れなかったり。(笑)

脇役までしっかりとキャラが立っていました。私が特に気になったのは克彦ですね。三葉にほのかな恋心を持ちつつ、早耶香の思いに気づかないと言う、、、もだもだする青春模様に脇役なことも忘れてきゅんとしたりして。

本当言うと、新海監督はこういうキャラ立て好きじゃないのかなと思っていたのでちょっと意外でした。キャラクター的というか、漫画的と言った方が伝わりやすいかな?デフォルメされててはっきりと輪郭が解る感じ。

ストーリーがどっしりしているからこそ、こういった遊びに余裕が出来たんじゃないかなって思います。その意味でも、王道に持って行ったのは正しい判断だったのじゃないかなって思いました。

 

映画『君の名は。』まとめ~最後に一言~

この物語は、高校生の男女が入れ替わりを繰り返しながら次第に惹かれあい、恋に落ちるお話です。

ただそれだけではなく、SF要素だったり、日本古来の風習だったり、思春期の悩みだったりがきれいに1本のライン上で描かれた傑作だと思います。

瀧と三葉の間にある3年の誤差、そしてその誤差から生まれる奇跡の救出劇。ただのイベントかと思っていた冒頭に流れる彗星のニュースが、実は最大のトラブルとして2人を引き裂く。

すでに亡くなっていた三葉を救うため、彼女へ繋がるために口にする口噛み酒、、、1つ1つはそれだけで終わる要素なのかな?と思いがちな演出も、すべては最後に終息していくんです。

その姿はまさにこの作品のキーアイテムであった「組紐」を編んで行くようで。そこまで考えての組紐だったら本当にすごい 。どこまで計算しているんだか、、、その緻密さに頭が下がります。

もう1度見たくなる映画なんてそれこそほとんどないけれど、 この映画は見終わってすぐにもう1度見たくなりました。そんな映画には久々に出会いましたね。

そして映画館で見た、というのも非常に幸運であると思います。あの迫力と見終わった後の虚脱感・幸福感は映画館でしか味わえません!

あとRADWIMPSの音楽も、本当に素晴らしい。大音量で聞けるのも映画の醍醐味ですね。

ただいま絶賛大ヒット中の『君の名は。』、青春を謳歌している学生の方々、青春時代を思い出したい大人の方々、どちらにもひどく刺さる映画となっておりますので、ぜひとも1度鑑賞をお勧めします!

 

(合わせてお読みください)
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